感想

ん〜、感想としては、まあ凄かったけど、自分が求めていたものと監督が描こうとしていたものが違かったのかもしれないな、と思った。この映画は、地球全体が一丸となって戦うような戦争ものを描こうとしていたのではなく、あくまで一般市民の一人の人間が極限の状態でどの様に生きていくのかを描いていたのだと思う。


この映画は、最初から最後まで終始【レイ】の視点で、レイが見たものしか描かれていない。だから、政府が侵略者に対してどんな対策をとっていたのかも解らないし、他の国の状況なんてのもほとんど描かれていない。案外、それがミソなのかな、と。


元々一般市民が得られる情報なんてのは、テレビやラジオの情報や人づてで聞く噂ぐらいでしかない。だから、そんな国家レベルの状況なんて解る筈が無いし、そもそも、そんな周りのことを気にしていられるような状況ではなかっただろう。
普通の人間ならそんなものだと思う。


――普通の人間――


この映画は、あえて、観客が得られる情報を絞ったことにより、観客が【普通の人間】である、劇中のレイと同じような『視えないものに対する恐怖、解らないことへの不安』を感じるように演出していたんじゃないのかな、と思った。


既存のパニック映画とはまた毛色の違う作品だから、少し評価が難しい。
むしろこの映画はパニック映画というものに当てはまらないのではないか、とも思った。……恐怖の演出だけで言えば【サイン】に近いものがあると思う。
個人的には、サインの方が好みなんだけどね。


あと、【宇宙戦争】というタイトルは、観ようとする人に要らぬ先入観を与えてしまいそうだから変えた方が良いと思った。本当に宇宙戦争】な内容を期待して観に行くと少し痛い目見る気がする。