サルモネラバスターの戯言・その2

勝算はあった。
確かにティアマットに比べれば遥かに賞金が低いミサイルクラーケンにすら苦戦した俺達だったが、あの頃には無かった力が今の俺達にはあった。


【主砲:スリーバースト】
合成によって手に入れた今作で言う220mmガイア並みの攻撃力を持ち、しかもその弾丸を三連発するというとんでもない武器。正に今の俺達の主戦力と言えるだろう。困ったときのスリーバースト頼み。


【SE:エクスカリバー、ブリューナク】
これまた合成によって手に入れた最終兵器。スリーバーストの1.5倍もの攻撃力を持つ人智を超えた神器。SEを二つ搭載できるパンツァーに載せるとありえない威力を発揮する。


攻撃力だけで言うなら、ミサイルクラーケンと戦っていた頃の3倍以上にはなっていただろう。だが、そんな俺達を嘲笑うかのようにティアマットの猛攻は凄まじいものだった。


考えが……甘すぎた……。
想像を遥かに超えるティアマットの猛攻……まるで次元の違うその強さ……。
空虚な攻撃を繰り返す俺達を嘲笑うかのように放たれたその業火は、満載に積んできた筈の装甲を一息で焼き尽くすほどだった……。
一ターン目でポチが死んだ。二ターン目で全車両の装甲がゼロになり、3ターン目で車のシャーシが小破した。
勝てるはずがないと気付いた時には何もかもが遅すぎた……。
自らの力の無さよりも、見解の未熟さを噛み締めた。


こいつ以上に強い賞金首は居るのだろうか…。
今までハンターオフィスに情報があった賞金首の中で、ティアマット以上に高値の奴は居ない。
もしかしたら、昨日地図の端っこで見つけた【謎の洞窟】辺りに隠し賞金首がいそうな気がしないでもない……。周りに町も無く隔離されたような場所で異界への入り口のように大きく口を開けた洞窟。中に入ってみたら行き止まりで、しかも何も無かったという落ち。
何かイベントを起こせばこの洞窟で何かが起こるのだろうか……。
何が起こるか解らない……解らないからこそ、知りたくなる。これだからハンター家業はやめられない。